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2007年11月29日 (木)

排尿障害・神経因性膀胱

被害者の中で事故に遭われ、脊髄の異常があり、相談会でおしっこは?と聞くとそういえばおかしいと言われる方がいます。調べてみると神経因性膀胱と診断が下される方がいます。しかし、最初の頃からの訴えが無いため、因果関係がみとめられません。事故後、おかしいと思われた方は、泌尿器科に行き膀胱内圧検査を受ける事をお勧めします。
膀胱と尿道が働いて尿をうまく排泄することができます。これらを働かすためには、働けと言う命令を伝える神経がしっかりしていないとうまく働けません。この神経が病気になったり、けがをして排尿がうまくできなくなった場合を神経因性膀胱(機能麻痺)といいます。
神経因性膀胱には大別して、上位型と下位型があります。仙髄の排尿反射中枢よりも中枢側に病巣がある場合を上位型といいます。その反対に仙髄の排尿反射中枢よりも末梢の異常の場合に下位型といいます。上位型は膀胱が無抑制収縮をする過活動膀胱ともいいます。下位型は膀胱の収縮が消失する低活動膀胱ともいいます。
多くの神経疾患で神経因性膀胱を生じますが、特に脊髄損傷ではほとんどの患者が神経因性膀胱になります。なぜなら排尿反射中枢が脊髄末端の仙髄にあるので、脊髄のどの部位が障害を受けても排尿の仙髄と大脳間の神経経路が遮断されるためです。
神経因性膀胱を生じる可能性のある疾患:
中枢神経系:脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、脊髄小脳変性症、パーキンソン病、OPCA(オリーブ核橋小脳変性症)、Shy-Drager症候群、HAM(HTLV-1関連脊髄症)、脊髄損傷、二分脊椎症、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、多発性硬化症など
末梢神経系:糖尿病、神経の外傷、二分脊椎症、帯状疱疹、子宮癌や直腸癌の手術後など
治療は個々の患者の日常生活動作(ADL)によって大きく左右され、腹圧排尿や叩打排尿、自己導尿によって排尿が自立できるものから、留置カテーテルを、人工膀胱などを余儀なくされる方まで様々です。

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2007年11月28日 (水)

人の皮膚から「万能細胞」 京大グループら作成成功!!脊髄損傷に朗報

京都大物質-細胞統合システム拠点の山中伸弥教授らの研究グループが、体細胞を遺伝子操作してさまざまな細胞になる能力を持たせた多能性幹細胞「iPS細胞」を、人の細胞で作ることに成功し、米科学誌「セル」電子版で20日発表した。
 患者自身の細胞を用いた脊髄(せきずい)損傷などの細胞移植治療の実現に向け、大きな一歩となる成果。同日、米国の別の研究グループも米科学誌サイエンスでヒトiPS細胞の作成を報告、研究競争のさらなる激化は必至だ。
 山中教授は昨年、世界で初めてマウスでiPS細胞の作成に成功した。今回、マウスで用いたのと同種の4つの遺伝子をヒトの皮膚の繊維芽細胞にウイルスを使って導入したところ、さまざまな細胞に分化可能なES(胚(はい)性幹)細胞と、形態や増殖能、遺伝子発現パターンそれぞれで極めてよく似たヒトiPS細胞の作成に成功した。この細胞を培養すると、神経や筋肉組織などのほか、鼓動する心筋細胞や、腸管様組織になった。
 作成に受精卵を用いるES細胞と比べ、iPS細胞は自分の体細胞から作ることができ、倫理的問題や他人の細胞で起きる拒絶反応も少ないことから、再生医療への応用が期待されている。脊髄損傷や心不全、糖尿病などの治療のほか、病因の解明や新薬開発のための実験用細胞としても期待を集めている。
 山中教授は「今回の報告で、さらに研究のスピードが上がるだろう。ウイルスを使わない作成手法や、ES細胞との比較研究を進め、ES細胞に代わることのできるiPS細胞を作りたい」と話している。
 ■臨床応用へ 安全性が課題
 世界の研究者が先陣を争っていた「ヒトiPS細胞」の作成に、山中教授と米国のグループが成功した。体細胞由来の万能細胞の実現が有望になり、再生医療への応用に向け研究が加速しそうだ。
 ヒトiPS細胞ができたことで、次の目標は、ES細胞との比較や導入遺伝子の検討によりES細胞と同等の能力を実証することと、遺伝子導入に用いるレトロウイルス以外のより安全な作成法の開発になる。ES細胞を神経や心筋などに分化させる研究は成果を積み重ねており、iPS細胞の分化の研究も急速に進みそうだ。ESからiPSへ、研究の重心は確実に動くだろう。
 臨床応用が目標の研究もすでに始まっている。山中教授と慶応大の岡野栄之教授らは、脊髄損傷モデルマウスにiPS細胞を注射すると機能の一部が回復することを確認した。安全性が今後の大きな課題となる。
 日本の幹細胞研究のあり方も問われている。山中教授と同時にサイエンスで発表したのは、世界で初めてヒトES細胞を作ったウィスコンシン大のジェームス・トムソン教授ら。「世界初」を独占させないよう、急きょ発表が前倒しされた。競争の激しさが分かる。
 米国は国や州が幹細胞研究に多額の資金を投入、主要な大学には幹細胞研究センターが設置され、多様な分野の研究者が集まっている。ES細胞よりも制約が少ないため、iPS細胞の研究者はさらに増えるという。
 山中教授も今年七月に米国の大学内に研究室を開設し、日本では認可が難しく実質的に不可能なES細胞との比較研究を進めているが、「個人ではどうにもならない。iPS細胞は日本で生まれたのに、このままでは全部持ち去られてしまう」(山中教授)と危機感を抱く。日本の研究者が切り開いたiPS細胞研究を日本で進められるのか。中核組織や研究事業の立ち上げなど、国の機動的な対応が問われている。

                        京都新聞抜粋
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2007年11月27日 (火)

脊髄損傷とED障害4

血管造影検査:EDの検査
勃起不全、勃起障害の検査に血液の流れを調べます。一般的には大腿部の動脈を使って造影用のカテーテルを逆行性に内腸骨動脈に送り込んでペニスに血液を送っている血管を造影します。ここでもPGE1を陰茎海綿体に注射してから造影剤を入れることで血管の状態や血流の状態の変化を観察することができます。
陰茎海綿体に流入する動脈に狭窄や閉塞がある場合には血行再建手術が考慮されます。
また陰茎海綿体からの流出静脈に、本来貯留すべき血液が漏れ出ている場合は静脈を結さつする手術も考慮されます。

※夜間勃起(NPT)の計測:EDの検査
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、浅い眠りのレム睡眠に一致して夜間勃起が起きるのですが、加齢にともなって睡眠時間全体に占める夜間勃起の時間割合が減少することがわかっています。従ってこれから高齢化社会を迎えると当然勃起力の低下を起こす人の数も増加すると考えられます。
夜間勃起の計測は簡単には切手を陰茎周囲に巻いて海苔巻きのように端を留めて起床時に切手が切れていれば夜間に勃起があったと考えることができます。同じ原理で巻きつけるテープの部分がスライドして陰茎周囲径の増加程度が測定できるようにしたものやさらに進んで夜間の勃起の回数や程度が記録に残せるものなどいろいろな計測器があります。

夜間就寝中のレム睡眠期には勃起するのが正常です。少なくとも心理的な抑制やプレッシャーから開放された睡眠中に勃起が起こっていればEDの原因としての陰茎血管系の異常は除外できることになります。
最近朝立ちしないけど大丈夫なんだろうかとおっしゃる方は一度チェックして見られてはいかがでしょうか?

プロスタグランディンE1
夜間勃起(NPT)の計測のED検査で夜間の勃起に異常を認めた場合は陰茎の神経・血管系に異常が疑われるわけですから血管拡張薬のプロスタグランディンE1(PGE1)を陰茎海綿体に注射して完全勃起の有無を見る検査を行います。
これで勃起が認められれば陰茎海綿体を含めて血管系に異常はないと考えられ神経系の検査に進むこととなり、逆に勃起反応が悪い場合は血管系に障害のある血管性EDが疑われます。
血管性EDの疑いがある場合はまず超音波カラードプラ装置で左右の陰茎海綿体動脈の収縮期最大血流速度というものを測定して両側とも30cm/s未満の場合は陰茎流入動脈系の異常による動脈性EDと判断されます。一方収縮期最大血流速度が30cm/s以上の場合は動脈性よりも流出静脈系の異常が考えられることになります。

EDの神経障害の検査法
勃起に関係する自律神経系を直接検査する勃起不全、勃起障害の検査方法はいまのところありません。プロスタグランディンE1負荷試験をして反応良好ならば血管系は正常と判定でき、さらにバイアグラテストをして勃起があれば神経系も障害なく、バイアグラテストに反応がなければ神経障害を疑うことになります。
末梢神経の検査としては例えば振動覚検査といってどのくらい微弱な振動が陰茎で感じられるかを検査したりします。また陰茎に走る神経を刺激して陰茎上の2点間で神経の伝導速度を計測したりします。そうした末梢神経の検査で自律神経検査の代用にしているわけです。

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2007年11月26日 (月)

脊髄損傷とED障害3

カラードプラ検査:EDの検査
勃起が正常に起きるには陰茎海綿体に血液を流入させる血管が正常であることが必要で、このカラードプラ検査も陰茎海綿体に血液を供給している血管の状態を調べる勃起不全、勃起障害の検査のひとつです。
カラードプラ検査は超音波(エコー)検査の一種で血液の流れる部分がカラー表示され、こちらに向かってくる血液の流れは赤で表示され、遠ざかっていく血液の流れは青で表示されます。血流の方向だけでなく血流速度も調べることができます。血流速度の低下があれば血管が障害されていると考えられ、さらにPGE1を注射して検査しPGE1注射前後の血流速度の変化を調べることもできます。

海綿体内圧測定:EDの検査
陰茎海綿体の内圧を測定できる検査用器具があるのですが、それを勃起不全、勃起障害の検査に使用して陰茎海綿体内の圧力を測ります。PGE1の注射前後で海綿体内圧の変化を調べることもできます。PGE1の陰茎海綿体内注射後に圧力上昇がなければ血管拡張剤に反応がないということで血管性のEDが疑われます。
またこの器具は陰茎海綿体に生理的食塩水を注入することで海綿体の内圧を一定に保つことができるので、ある一定内圧を保つのに必要な注水速度を調べることで、血管障害がある場合にそれが動脈性か静脈性かを判断するのに役立ちます。静脈性の血管障害では血液が漏出していく状態が存在し、一定の内圧を保つのに注水が必要です。また陰茎海綿体に造影剤を注入して流出静脈の状態を観察することも可能です。

脊髄損傷とED
ペニスを勃起させるには、脳の性的興奮が必要です。この興奮は脊髄を通り、脊髄の一番下にある勃起中枢を経て、ペニスの海綿体へ伝達されます。つまり、脳からの勃起指令(興奮)を受け、はじめて海綿体は勃起することが出来るのです。よって、神経経路のどこかに損傷を受けると、たとえ脳に性的興奮があっても、指令が伝わりませんから、ペニスは勃起できません。損傷の程度にもよりますが、勃起に必要な興奮を十分に伝えられないほどの損傷があれば、勃起機能が影響を受けます。この状態では、セックスする意欲はあっても、いざパートナーを前にしても、肝心のペニスが勃起してくれない状態になります。

ペニスが勃起するには、脳に性的興奮が起き、興奮が神経によってペニスに伝達されなければなりません。よって、何らかの原因で脳や神経が侵されると、勃起機能が失われる場合があります。脳血管障害が起こると、脳細胞の一部が死にますが、その部位が勃起を制御する部位であった場合は、勃起機能が損なわれます。つまり、脳血管障害の起きた部位や程度により、EDになることがあるのです。パーキンソン病は神経が侵され、運動障害が起こる病気ですが、その程度によりEDが起こる例が報告されています

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2007年11月21日 (水)

脊髄損傷とED障害2

振動覚検査:EDの検査
振動を起こす器具を亀頭部に接触させて徐々に振動の強さを上げていってどの程度の強さで振動を感じ取れるかを調べる勃起不全、勃起障害の検査です。陰茎の末梢神経の障害が強いほど弱い振動は感じ取れなくなってしまいます。
今のところ、自律神経検査法が特に有効な方法がないためこういった末梢神経の検査法で代用しているということです。糖尿病の際の勃起神経障害の検査などに手軽にできていいと思います。

球海綿体筋反射潜時測定:EDの検査
勃起不全、勃起障害の検査に、陰茎亀頭部に電気的な刺激を加えると、その刺激は脊髄に達して反射回路を経て球海綿体筋を収縮させます。そこで亀頭部に電気刺激を加えてから球海綿体筋が収縮するまでの時間を測定して勃起神経の働きを検査することが可能です。電気刺激の伝導に時間がかかりすぎる時は勃起に関わる神経の障害が疑われることになります

陰茎背神経伝導速度測定:EDの検査
勃起不全、勃起障害の検査に、ペニスの先端から根元までの神経を刺激してその伝導速度を調べる検査です。ペニスの先端には刺激電極を貼り、根元には導出電極を貼って先端部に加えた電機刺激が根元に伝わる速度を測定して勃起に関与する神経の働きを調べることが可能です。ある程度より神経の伝導速度が遅くなる場合は勃起の神経障害の可能性があるといえます

PGE1テスト:EDの検査
勃起が正常に起きるには陰茎海綿体に血液を流入させる血管が正常であることが必要で、これは陰茎海綿体に血液を供給している血管の状態を調べる勃起不全、勃起障害の検査のひとつです。
(PGE1)は血管に作用して平滑筋の弛緩を起こして血管を拡張させて血流を増加させる働きがあり、これを陰茎海綿体に注射して勃起が起これば血管が正常に反応して陰茎に流入する血液の量が増加したわけで血管系に異常はないと判断できることになります。

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2007年11月20日 (火)

脊髄損傷とED障害

最近の被害者の中で脊髄損傷によるEDの問題の相談が多くなりました。
沢山の検査方法があれますので順を追って説明します。

ペニスを勃起させるには、脳の性的興奮が必要です。この興奮は脊髄を通り、脊髄の一番下にある勃起中枢を経て、ペニスの海綿体へ伝達されます。脳からの勃起指令(興奮)を受け、はじめて海綿体は勃起することが出来るのです。よって、神経経路のどこかに損傷を受けると、たとえ脳に性的興奮があっても、指令が伝わりませんから、ペニスは勃起できません。損傷の程度にもよりますが、勃起に必要な興奮を十分に伝えられないほどの損傷があれば、勃起機能が影響を受けます。この状態では、セックスする意欲はあっても、いざパートナーを前にしても、肝心のペニスが勃起してくれない状態になります。

ペニスが勃起するには、脳に性的興奮が起き、興奮が神経によってペニスに伝達されなければなりません。よって、何らかの原因で脳や神経が侵されると、勃起機能が失われる場合があります。脳血管障害が起こると、脳細胞の一部が死にますが、その部位が勃起を制御する部位であった場合は、勃起機能が損なわれます。つまり、脳血管障害の起きた部位や程度により、EDになることがあるのです。パーキンソン病は神経が侵され、運動障害が起こる病気ですが、その程度によりEDが起こる例が報告されています

血管造影検査:EDの検査
勃起不全、勃起障害の検査に血液の流れを調べます。一般的には大腿部の動脈を使って造影用のカテーテルを逆行性に内腸骨動脈に送り込んでペニスに血液を送っている血管を造影します。ここでもPGE1を陰茎海綿体に注射してから造影剤を入れることで血管の状態や血流の状態の変化を観察することができます。
陰茎海綿体に流入する動脈に狭窄や閉塞がある場合には血行再建手術が考慮されます。
また陰茎海綿体からの流出静脈に、本来貯留すべき血液が漏れ出ている場合は静脈を結さつする手術も考慮されます。

※夜間勃起(NPT)の計測:EDの検査
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があり、浅い眠りのレム睡眠に一致して夜間勃起が起きるのですが、加齢にともなって睡眠時間全体に占める夜間勃起の時間割合が減少することがわかっています。従ってこれから高齢化社会を迎えると当然勃起力の低下を起こす人の数も増加すると考えられます。
夜間勃起の計測は簡単には切手を陰茎周囲に巻いて海苔巻きのように端を留めて起床時に切手が切れていれば夜間に勃起があったと考えることができます。同じ原理で巻きつけるテープの部分がスライドして陰茎周囲径の増加程度が測定できるようにしたものやさらに進んで夜間の勃起の回数や程度が記録に残せるものなどいろいろな計測器があります。
夜間就寝中のレム睡眠期には勃起するのが正常です。少なくとも心理的な抑制やプレッシャーから開放された睡眠中に勃起が起こっていればEDの原因としての陰茎血管系の異常は除外できることになります。
最近朝立ちしないけど大丈夫なんだろうかとおっしゃる方は一度チェックして見られてはいかがでしょうか?

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2007年11月18日 (日)

むち打ち症と中心性脊髄損傷

文字通り、頚髄の中心が損傷しているという傷病です。頚髄の中心部は主に上肢に行く神経線維が集まっており、下肢に行く神経は外側寄りですので、上肢の症状が顕著に現れるという傷病です。
中心性頚髄損傷は頸椎椎間板に加齢性の後方膨隆があり、椎間板と脊髄との隙間が狭くなっていて、僅かな衝撃で頚髄が損傷しやすい状態になっているため生ずることがよくあります。
そのような状態は椎間板の後方膨隆があることから「頸椎椎間板ヘルニア」と脊柱管が狭くなっているので、「脊柱管狭窄症」と名づけられることもあります。
また、「頸椎症性脊髄症」と傷病名がつきます。
このような事故により中心性頚髄損傷となりやすい要因(多くは加齢性の要因)傷病名が「頸椎捻挫」か「中心性頚髄損傷」かは極めて重要なことです。後遺障害の等級に大きな影響があります。
多くの場合、整形外科医は交通事故と被害者から聞いて、「頸椎捻挫」として治療をします。しかし、症状が重く、改善もしないので、精密検査をしたところ、「中心性頚髄損傷」と判明することがあります。
「中心性頚髄損傷」と判明した時点において、事故から相当の年月が経過しているため、事故による後遺障害と認定されず、裁判をしても極めて不利な立場に立たされます。
医師は「頸椎捻挫」として治療しているため、カルテには事故直後から「頸椎捻挫」の症状のみ(頚部痛、頚部可動域制限、上肢のシビレ・痛み)程度しか記載されておらず、整形外科医の中で「これは普通の頸椎捻挫ではない」と気付き、入院をさせ、中心性頚髄損傷としての治療を行う者は少数です。むしろ、鞭打ち被害者が激しい症状が生じていることを訴えても、聞く耳を持たず、漫然と治療を続ける者が多数です。
このような医師により被害者が圧倒的に不利な状況に置かれることがあります。そのためには転院をしたり、MRI等の精密検査をすることが必要です。但し、闇雲に転院しては因果関係が途絶えてしまう為、必ず、紹介状を取り付けて転院する事です。
なお、調査事務所では中心性頚髄損傷として後遺障害が認定されるにはMRIのT2強調画像で高信号が認められる事が絶対です。
傷病名が中心性頚髄損傷で上記のMRI所見が認められる場合は9級以上、傷病名は中心性頚髄損傷だが、MRI所見が認められず、スパーリングテスト、ジャクソンテストが陽性の場合は12級、スパーリングテスト、ジャクソンテストの陽性所見も認められない場合は14級ないし非該当と認定されているようです。 但し、このあたりの基準は全くオープンにされておりません。調査事務所はあくまでも労災を基準としていると言われておりますが、被害者の中では、労災2級・自賠責14級の被害者もおられます。最近、多くの被害者が中心性脊髄損傷と診断書には記載されておりますが、実際、画像を見るとT2画像に高輝度が見られない被害者が大多数です。被害者は、非該当・14級の通知書が来て混乱しはじめます。そして相談に来られます。相談に来られるのが遅すぎます。何も検査をしていない状況ですから・・・先般の国土交通省では、あくまでも労災の基準に沿って認定をしている・又画像所見が無くとも認定していると言ってましたが、実際は、画像所見が無いと認定はしない。又、あくまでも認定を下すのは、自賠責との事、では何故国土交通省には補償課があるのか?これから徹底的に追求していくつもりでおります。

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2007年11月16日 (金)

おやじのボヤキ!!

阪急電鉄では。およそ8年前から、「全席が優先席」どの席に対してもゆずり合う思いやりの気持ちを持とうと言う理念から車両内から「優先座席」を撤廃していたそうです。ですが、このほど「優先座席」を復活させると発表されました。
なぜ??
期待されたゆずり合いの精神が定着せず、お年寄りなどからのクレームの報告が増えてきたようなのです。車内モラルの低下と言う、理想とは反対の結果を招いてしまい志半ばに挫折したそうです。
私がまだ若者?だった頃、よく年配の方に言われました、「最近の若いやつらは・・・」
モラルの低下は、いつの時代も形を変えて囁かれています。
中年?初老?(本人は認めていませんが)になって感じるのですが、意外と若い人達って親切だと思いません。よくデート中のカップルとか高校生とかが、老人や障がい者に優しく手を差し伸べているところを見かけます。服装や髪型が派手な子だったりとかします。私を含め私と同年代の方たちのほうが逆にイッパイイッパイって感じで、あまりまわりに気を配る余裕がない、そう感じるのですが・・・
物価は上がる、子供にはお金がかかる、給料は上がらない、かみさんにはぼやかれる、世の中のお父さんたちは何時の時代でも辛い立場にいますよね、
お母さんも何とか家計をやりくりして、家族幸せを底辺からさせている。
昔は、学校で道徳の時間があったから、今は、親が子に手本を見せないと・・・
私もあまり偉そうなことは言えませんけど。
お金の余裕と言うより、気持ちに余裕の持てる社会になって欲しいです。
自由主義、競争の時代ですから、生活水準に格差が現れることは仕方がないのでしょうが、、、
弱者を切り捨てる、差別する、いじめる。これは違うでしょ~

子供を増やせと言いながら、病院をたらい回しされ、安心して出産できない現状。
看護士、医師の慢性的な人材不足。
問題だらけの介護保険制度。
『頸椎捻挫』で治療6ヶ月、治らないのは詐病扱い?
薬害の資料が地下倉庫の片隅に・・・なんてとぼけてる?
戦争はしない、だけど戦争の手助けはする?
チョットおかしいですよ。

こういう時代だからこそ充実した福祉環境を整えて欲しいものです。


自賠責保険の障害部分は120万円までと決められています。
昭和53年度に制定されたものです。現在この金額では少ないのでは?と感じているのは私だけ???

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2007年11月 2日 (金)

脊髄症

脊髄症の診断は,まず神経学的所見から障害脊髄高位を推測し,これを各種画像検査所見や電気生理学的検査所見と対比することによりなされる.神経学的所見からの障害脊髄高位と他の検査所見からの障害高位が一致しない場合は,他の疾患や他部位の病変との鑑別が必要となってくる.したがって,神経学的所見からどの程度障害脊髄高位を予想できるかは,診断を進めていくにあたりきわめて重要であり,この点につき文献的に検討する.

解説

1椎間の頚部椎間板ヘルニアによる脊髄症を呈し,かつ神経根症状を認めず,手術によりその神経症状が改善した症例における臨床徴候の検討では,深部腱反射に関しては上腕二頭筋腱反射の亢進はC3/4椎間高位病変に特異度が高く(特異度:95%,感度:65%),上腕二頭筋腱反射,上腕三頭筋腱反射の低下はそれぞれC4/5,C5/6椎間高位病変について特異度が高かった(特異度:94%,98%,感度:65%,38%)としている.手指のしびれに関しては全指にわたるしびれはC3/4またはC4/5椎間高位病変に(特異度:86%,77%,感度:94%,50%),橈側の手指のしびれはC4/5椎間高位病変に(特異度:95%,感度:30%),また,尺側の手指のしびれはC5/6椎間高位病変について特異度が高かった(特異度:86%,感度:87%)としている.筋力低下,感覚障害については全体に特異度,感度が低く有用ではないが,三角筋の筋力低下はC3/4椎間高位病変に特異度が高く(特異度:98%,感度:35%),C7以下の感覚障害はC5/6椎間高位病変について特異度が高かった(特異度:90%,感度:63%)としている.
また,1椎間に前方除圧固定術を施行し症状が改善した頚椎症性脊髄症,頚椎椎間板ヘルニアあるいは頚椎後縦靱帯に起因する脊髄症症例に対する上腕二頭筋腱反射の亢進を認めた症例はすべてC3/4椎間高位病変であったとし,上腕三頭筋腱反射の低下を認めた症例の90%はC5/6椎間高位病変であったとしている.手指のしびれに関しては全指にしびれを認める症例はC3/4,C4/5椎間高位病変例のそれぞれ90%,73%であったとし,尺側手指にしびれを認める症例はC5/6,C6/7椎間高位病変例のそれぞれ76%,75%であったとしている.筋力低下に関しては三角筋に認める症例はすべてC3/4椎間高位病変であったとし,上腕三頭筋に認める症例の90%はC5/6椎間高位病変であったとしている.感覚障害に関しては全手指に及ぶ症例の74%はC4/5椎間高位病変であったとし,尺側手指に限局している症例の98%はC5/6椎間高位病変であったとしている.同様な症例を対象として検討を行ったC3/4椎間高位病変では上腕二頭筋腱反射以下の亢進を67%に,C4/5椎間高位病変では上腕三頭筋腱反射以下の亢進を50%に,C6/7椎間高位病変ではすべての症例で上肢の反射の亢進を認めなかったとしている.手指のしびれに関してはC3/4椎間高位病変では67%の症例で全指に,C4/5椎間高位病変では50%の症例で橈側指に,C5/6椎間高位病変では50%の症例で尺側指に,C6/7椎間高位病変ではすべての症例でしびれを認めなかったとしている.感覚障害についてはC3/4,C4/5,C5/6,C6/7椎間高位病変ではそれぞれC5,C6,C7,C8領域を中心に認めたとしている.
これらの報告の結果は,C3/4,C4/5,C5/6,C6/7椎間高位に存在する運動髄節はそれぞれC5,C6,C7,C8神経根に対応するものであり,知覚髄節には個人差があり運動髄節とほぼ同様である場合とさらに1/2~1髄節頭側にずれている場合があるとほぼ一致している.
以上より,深部腱反射,筋力低下,感覚障害,手指のしびれについて検討し,これらを総合して判断することにより高位診断はある程度可能と思われる.特に深部腱反射と手指のしびれは特定の高位に比較的特異度の高い指標である.頚髄症の診断に際しては,これらの結果を参考にして神経学的所見から障害脊髄高位を推測し,これを各種画像検査所見や電気生理学的検査所見と対比することにより総合的に判断することが大切である.
しかし,いずれの報告もC3/4高位より近位の病変に関する高位診断には触れておらず,頚椎症性脊髄症では多椎間病変が多いという事実もあり,問題点は残されている.また,高齢者で特に糖尿病などによる末梢神経障害を合併している場合,腱反射が減弱あるいは消失し,診断の参考にならないことがあることも銘記すべきである.
                  頸椎症性脊髄症診療ガイドライン抜粋

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