物損
物 損 事 故
物損とは、物の滅失、毀損(キソン)による損害をいいます。
自賠法3条の運行供用者責任は、人の生命、身体に対する賠償のみに適用され、物損には適用されません。
ただし、義眼・義歯・義肢・眼鏡・コルセット・松葉杖・補聴器などは、身体に密着し、かつ身体の一部の機能を代行していることから、人身損害として自賠法3条が適用されます。また、通常使用する程度の着衣(スーツ、Yシャツ、ネクタイ、靴下など高価なもの)、履物などは判例上人身損害として認められています。
車両破損による損害〔賠償額算定の原則〕
全損の場合
車両の全損とは、被害車両が修理不能状態(物理的全損)もしくは、修理費用が車両の時価格を上回ってしまった(経済的全損)場合をいいます。
請求範囲
〇車両時価額
評価する方法として、 1)裁判上の鑑定
2)オートガイド自動車価格月報(レッドブック)
3)中古車価格ガイドブック(イエローブック)
4)(財)日本自動車査定協会
5)税法上の減価償却
市販の中古車情報誌などで被害車両と同種同様・同程度・同年式の平均的車両価格を調べ利用すれば良いと思います。
〇買い換え諸費用
全損によって新たに同種同様、同程度の車両を購入する場合に、必要になる買い替え諸費用は、車両の取得価格に付随して通常必要となる費用の範囲で損害として認められます。
買い換え諸費用 1)車両時価に対する消費税
2)自動車重量税
3)車検登録法定費用
4)車庫証明法定費用
5)検査・登録手続き代行費用
6)車庫証明手続き費用
7)納車費用
8)手続き代行費用
9)納車費用
10)消費税
〇廃車・解体費用
全損になった車両の廃車・解体に伴う費用は、事故によって発生した損害として、買い換えによって生じる必要かつ相当な金額として認められます。
〇残存車検費用
全損となった車両の車検費用の内、全損後の残存する車検の費用分を請求することができます。
車検費用÷車検期間月数=月額車検費用
月額車検費用×残存車検月数=請求金額
以上を請求することができます。
分損の場合(全損時も含む)
〇事故による被害部分の修理費(部品交換・板金塗装など)
〇修理技術上の限界から、修理してもなお車としての機能、外観が完全に修復せず、事故前と比べて価格の減少がある場合、その減少分が損害となります。
機能、外観は完全に回復したものの、事故暦・修理暦のために商品価値が下がってしまうことがあります。(評価損、格落ち)その減少分も損害となります。
評価損・格落ちの証明方法
a)修理費用に対する一定の割合をもって評価損・格落ちに対する金額を算出する
方法。
b)(財)日本自動車査定協会の発行する事故減価額証明書を取り付け証明する方法。
全損・分損共
〇代車使用料
車両が使用不能の期間に代替車両を使用する必要があり、かつ現実に使用した場合、その使用の相当性の範囲で認められます。
全損で車両を買い換えた場合、車両が納車されるまでの期間の代車使用料は請求することができます。
分損の場合は、被害車両の修理が完了し納車されるまでの期間の代車使用料を請求することができます。
〇休車補償
営業車両について、車両の買換え、修理等のため使用できなかった場合、操業を継続してきれば得られたであろう純利益を請求することができます。
(但し、その期間について制限を受けることがあります。なお、代車使用料が認められる場合、休車補償は認められません。)
〇レッカー代、保管料など
事故車両のレッカー移動代、保管料は、支出があれば損害として認められます。
〇車両外の物損
被害車両の積載物、加害車両が飛び込んだ家屋(店舗)などの修繕費。及び、休業中の固定費などその他の損害を請求することができます。
○物損に関する慰謝料等
被害車両の特別性(入手困難・限定物等特別品)。家屋等を損壊されその修理期間の代替え住宅居住中の不便さ等について慰謝料を認める場合もあります。
○その他
被害者運転車両の加入している任意保険の保険料が、事故のため割引が無くなり、保険料が増額した部分について損害と認める場合もあります。
*物損による損害の請求範囲の説明です。但し、請求すれば文句なしに支払われるものではありません。最終的には話し合いによって範囲が決定されます。被害者自身が損害の範囲を明確に示し、交渉しなければなりません。*
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